2017年02月18日

残業上限案:特例で年720時間(月平均60時間)まで認める方針

残業時間上限案:月平均60時間、繁忙期100時間、年間720時間

という記事をご紹介しておりますが、その後少しばかり動きがありました。

「特例」をわざわざ設けることによって、年720時間(月平均60時間)まで残業できるようにするという案が現在浮上しています。

過労死や過労自殺が蔓延している今の状況で・・・

どのような経緯で、「特例」という名の「抜け道」をわざわざを新たに設けるなどとする上記の案が浮上したのか疑問に感じる方もたくさんいらっしゃると思われるため、

「月平均60時間、繁忙期100時間、年間720時間」案

「年間720時間(月平均60時間)」案

に至った経緯も含めて、

36協定(サブロク協定)について最低限知っておきたいこと
36協定の特別条項等の見直しによる残業時間上限規制強化を検討開始
労働基準法改正案(残業代ゼロや裁量労働制拡大等含む)が閣議決定
労働基準法違反66%、違法残業44%、過労死ライン超え78%
過労死の労災請求を行った企業の半数で違法残業、8割が労働法違反
長時間労働・パワハラ等による過労自殺はなぜなくならないのか?

などの記事も念頭に置いた上で、続報として関連記事をご紹介致します。

「36協定(サブロク協定)」についてよくわからないという方や、今回の残業上限が何を意味するのかなどについてよくわからないという方は、先に以下の記事をご一読下さいませ

36協定(サブロク協定)について最低限知っておきたいこと


1. どうなる過労死基準 残業時間の規制巡り国会で論戦(tv asahi)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

現在、過労死基準は残業時間が月100時間を超えることなどですが、政府は年間平均で月60時間を目指しています。

しかし、連合は「月45時間は譲れない」としている一方で、経団連は「繁忙期は月100時間まで認めてほしい」としています。

===ここまで===


2. 残業月60時間提示=繁忙期は再調整−働き方会議(時事ドットコム)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

政府の働き方改革実現会議は、長時間労働是正に向け、残業時間の上限を年720時間、月平均60時間とする事務局案を提示した。

繁忙期は月100時間まで認める案を検討してきたが、労働界から長過ぎるとの批判が出たため、今回は盛り込まず、労使間で改めて調整することとした。

3月末に取りまとめる実行計画での決着を目指す。

繁忙期に関しては、政府内で月100時間まで、2カ月平均では月80時間まで残業を認める案が検討されていた。
しかし、労働界は「(脳・心臓疾患の)発症前1カ月で100時間程度」となっている過労死認定基準と同程度だとして反発している。

連合の会長は、年720時間の規制について「意義は極めて大きい」と容認。
同時に、「過労死、過労自殺が年100人規模で出ていることにどういうメッセージが出せるかだ」と述べ、繁忙期100時間案は認められないとの立場を改めて示した。

===ここまで===


3. 長時間労働是正 残業、年720時間まで 政府、上限案提示(毎日新聞)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

政府は、長時間労働是正のための新制度案を提示した。

現在は厚生労働相告示で定める残業時間の上限(月45時間、年間360時間)を法律に明記する一方、特例で「年720時間(月平均60時間)」まで認める。

繁忙期など一時的に業務量が増える場合に設ける1カ月の上限規制には労使とも前向きだったが、具体的な時間数については労使間で隔たりがあり、明示しなかった。

政府案は、残業時間の上限を法律で定め、違反企業に対する罰則を設ける。一方、特例で月平均60時間までの残業を認め、労使協定を義務付ける。
月平均60時間は「過労死ライン(直前2〜6カ月の平均が月80時間超)を踏まえ、ワーク・ライフ・バランスを改善する」ことを目指す時間という。

ただし、無制限の残業を防ぐため、1カ月の上限時間を定める。
政府は100時間まで認める案を検討しているが、連合側が反発している。

3月末に働き方改革実現計画をまとめるまでに、関係者間で調整する。

経団連の会長は「実態とかけ離れた厳しい規制は、国際競争力や中小企業に影響を及ぼす懸念がある」と指摘。
連合の会長は「労働時間に上限を設ける意義は極めて大きい。立場によって開きはあるが、合意形成を図っていきたい」と述べた。


【長時間労働是正の政府案】
○ 時間外労働の上限を月45時間、年360時間と法律で明記し、違反には罰則を科す
○ 特例として年720時間(月平均60時間)まで認める
○ 特例であっても超えられない月当たりの上限時間を設ける
○ 特例適用には労使協定を義務付ける
○ 災害などの場合に労働時間の延長を認める現行法の規定は継続

===ここまで===


4. 「月60時間でも多すぎ…」政府が示した“残業の上限”案に、戸惑いの声(IRORIO)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

政府が残業時間の上限について「年間720時間」という原案を示し、物議を醸している。

原則として、36協定で可能となる時間外労働時間の限度を「月45時間、かつ年360時間」とし、上限を上回った場合には罰則を課す。

ただし、特例の場合は1年720時間(月平均60時間)を上限に。
繁忙期については、年720時間以内の範囲で上限を儲けるという案だ。

現在の労働基準法では「1日8時間、週40時間を超える労働」は禁止されており、原則として残業は認められていないが、36協定を結べば「月45時間以内、年360時間以内」の時間外労働が可能に。
さらに、特別条項を結べば上限なく時間外労働をさせることができる。

今回政府が提示した案は、特別な事情がある場合についても、時間外労働に「年720時間」という上限を設けるという内容だ。

時間外労働の上限が「年720時間、月平均60時間」になることを、世間の人々はどう考えているのだろうか?
ネット上にはさまざまな反応が投稿されている。

「残業上限60時間っても20日仕事するとしたら1日3時間残業できちまうんだよなぁ…。毎日3時間ってかなりキツイぞ」
「残業を平均月60時間までか…。週5でも一日三時間?これでも世界規模では働きすぎでは」
「だからさー!残業時間は60時間も多すぎるんだよ!人のことなんだと思ってるんだよ?せいぜい!せいぜい40時間だろ上限は!仕事で人の人生を終わらせようとする国がおかしいわ!」

「月の残業60時間なんて、、、サービス増えるのかあ…ハァ」
「月60時間残業になったら業界はどうなるのか。いやー、厳しい!単純に日数増えるとなると土日勤務は常習化するし、予算ないからとか言って単価下げられるか結局グロスになって。結果働く時間は変わらないけど、休日は減り、給料も減る構図が」

厚生労働省の過労死等防止対策白書によると、日本の長時間労働者の割合は国際的にみても高水準。
また、連合が調査したところ、4割強の労働者が「サービス残業をせざるを得ないことがある」と回答している。

1ヶ月の平均的なサービス残業時間は16.7時間だという。

===ここまで===


5. 残業時間規制 上限60時間は不十分だ(毎日新聞)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

残業時間の規制について政府の姿勢は甘すぎないか。
原点に立ち戻り、抜本的な改革に向けた論議をすべきである。

政府案は残業の上限を45時間と法律で定め、労使協定で特例を設けても年720時間(月平均60時間)を超えることを禁止するという。
繁忙期には「2カ月平均で月80時間」「月100時間」とする案も検討された。

過労死の労災認定基準が、脳や心臓疾患が発症する前の「1カ月に100時間超の残業」または「2〜6カ月間平均で月80時間超の残業」となっているのをベースにしたものだ。

しかし、認定基準に至らなくても過労で脳や心臓疾患を発症する人は多数いる。
政府が「過労死ライン」ぎりぎりまでの残業にお墨付きを与えるような緩い規制は論外だ。

労働力不足に直面している企業は多く、労働者にとっても残業代がなければ家族の生活費が賄えないという実態がある。
労使双方にとって現実的な規制として政府案はまとめられたのだろう。

しかし、日本よりはるかに労働時間が短い欧州諸国では、残業時間の厳格な規制や長期休暇の取得が法律で定められ、就業時間後も会社に残る習慣がない国もある。
現在の日本の長時間残業が異常なのである。

また、現行の残業規制には抜け穴も多い。

管理職や農業・漁業従事者には残業規制がなく、トラック運転手や研究開発者も実質的に規制の枠外に置かれている。
デザイナーなどの専門職は、労使で決めた時間を働いたものとみなして一定の残業代を支払う「裁量労働制」の対象とされている。

政府はこれらの職種にも残業の上限規制をすることを検討しているが、当然だろう。

一方で、今国会には残業代なしの成果主義賃金を導入する労基法改正案が提出されている。
政府は成果主義賃金の対象は一部の専門職に限定すると強調するが、矛盾した政策と言わざるを得ない。

===ここまで===


6. 残業の上限制 働く人を守れる規制に(東京新聞)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

時間外労働の上限規制に関するたたき台が示された。
たたき台は、残業時間は年間七百二十時間(月平均六十時間)を上限に、罰則付きで法定化することを打ち出した。

だが、これだけでは不十分だ。
繁忙期など一カ月当たりの上限は「設ける」と明記されたものの、具体的な数字は示されていない。

政府内では、過労死の労災認定基準を踏まえ「月最大百時間」「二カ月平均八十時間」までの残業を認めることが検討されているようだが、これでは「過労死ライン」まで働かせることを容認するようなものだ。
もっと厳しい基準にするべきではないか。

また、管理職は適用除外となるほか一部職種を外すことも検討されている。
“抜け穴”は極力なくしたい。

欧州は厳格な規制を設けている。
例えば法定の労働時間が週三十五時間のフランスでは、残業の上限を週十三時間とし年間では二百二十時間と定めている。

併せて、勤務終了から次の勤務開始まで十一時間以上空けなければならないとする「インターバル規制」もある。
日本でも導入を検討するべきだろう。

残業時間が抑えられることで賃金が低下するとの懸念が一部にはある。
法定の労働時間でも十分に生活できる水準に基本給を引き上げることも必要だ。

不可解なのは、政府は長時間労働の抑制に旗を振りながら、過重労働を促すとの懸念が強い「残業代ゼロ制度」の創設や裁量労働制の対象拡大を盛り込んだ改正案の成立を目指していることだ。
再考するべきだ。

悲劇を繰り返さないために働く人を守る「岩盤」の規制を求めたい。

===ここまで===


【上記の続報は以下をご参照下さい】
残業上限:月100時間未満で決定、年960時間残業の抜け穴発覚


【参考】
よろしければ、以下も参考になさって下さいねー。


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posted by 西区地域労組 at 15:55| 雇われて働く人に関係するニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする