2015年10月18日

有給休暇取得率47.3%に低下、ワースト1位は宿泊業・飲食サービス業

年次有給休暇は、まとまった休暇を取得することによって心身の疲労回復を図り、労働生産性を高めるためにも不可欠なものとして、労働基準法(39条)で定められています。

使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した労働日の有給休暇を与えなければならない」

と、定められています。
※全労働日 = 労働義務のある全ての日のこと = 所定の休日は含みません
業務災害による療養休業期間、育児休業期間、介護休業期間、産前産後の休業期間、有給取得日などは、出勤したものとみなされます

つまり、労働者に年次有給休暇を与えなければならないと法律で使用者に義務づけているということです。
使用者が違反したら、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

年次有給休暇を取得できる権利を持っているのは、正社員だけではありません。
「正社員以外には、年次有給休暇なんてないよ」「パートやアルバイトなんかに年次有給休暇があるわけないでしょ!」などとむちゃくちゃ言う経営者や管理職がいますが、それは間違いです。

契約社員や派遣社員、パートやアルバイトなどの非正社員であっても、学生アルバイトであっても、たとえ週1回しか勤務していない労働者であったとしても、「6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤」の条件を満たせば有給休暇を取得する権利が発生します

たとえ6ヶ月未満の労働契約であったとしても、更新によって結果的に6ヶ月以上勤務していて、かつ、全労働日の8割以上出勤していれば、有給休暇を取得する権利が発生します。
6ヶ月未満の短期契約と6ヶ月未満の短期契約との間がたとえ空いていたとしても、労働契約が更新されているのであれば「継続勤務」とみなされます。

また、労働者に年次有給休暇を与える義務を負っているのは、使用者なのであって労働者ではありません。
ですから、経営者や管理職が「人手不足だから有給は取らせない」「有給を取りたければ、代わりの人を探して来い」などと要求するのはお門違いなのであって、責任逃れでしかありません。

尚、年次有給休暇を取得する権利は、労働者が請求して初めて発生するというものではありません。
「6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤」の条件を満たしたら、年次有給休暇を取得する権利が当然に発生します。

以前、

有給を取得したくても取得できない原因とは?

という記事をご紹介したことがあります。
この記事をご紹介してから、もう5年半ほど経っています。

今後状況が改善されることを祈りながらご紹介していたのですが・・・

改善されるどころか、残念ながら更に悪化している状況のようですので、関連記事をご紹介いたします。


1. 有給取得率47・3% 政府目標「7割」に暗雲(産経新聞)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

平成26年の会社員の年次有給休暇取得率は47・3%で、前年より1・5ポイント減少したことが、厚生労働省の就労条件総合調査で分かった。
企業が労働者に与えた有給日数は前年と同じ18・5日だったが、労働者の平均取得日数が8・8日(前年比0・2日減)にとどまった。

調査は、常用労働者30人以上の民間企業などを対象に実施。
今回からは医療法人など会社組織以外の法人も調査対象となり、全体の有給取得率は47・6%だった。

男女別の取得率では男性44・7%、女性53・3%。
従業員1000人以上の法人では取得率は52・2%と半数を超えたが、法人規模が小さくなるほど取得率が低かった。

政府は32年までに有給取得率を70%にすることを目標にするが、達成は厳しい状況だ。

===ここまで===



2. 有休取得率47.6%に低下、政府目標70%遠く (TBS NEWS)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

厚生労働省によりますと、去年1年間に企業で働く人が取得した有給休暇は1人あたり平均8.8日で、与えられている有休の日数に対する取得率は47.6%と、ともに前の年を下回りました。

業種別では、電気・ガス・熱供給・水道業が取得率69.8%と最も高かったのに対し、卸売・小売業や宿泊業・飲食サービス業などでは35%を下回っています。
また、企業の規模別でみると、労働者が1000人以上の企業では取得率が52.2%だったのに対し、30〜99人の企業では43.2%と、規模が小さいほど有休の取得率が低い結果となりました。

政府は2020年までに有休の取得率を70%まで引き上げる目標を掲げていますが、2001年の調査以降、50%を上回ったことがなく、厚労省は引き続き、企業に有給休暇の取得を促すよう求めています。

===ここまで===



3. 東京五輪は大丈夫? 「宿泊・飲食サービス業」のブラックぶりが厚労省の調査で明らかに(ガジェット通信)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

2020年の東京五輪を控え、今後も訪日外国人数は増加するだろう。
旅行者が利用する施設の筆頭はホテルや飲食店。
人材需要の増大が見込まれるが、就労実態は依然として厳しい。

厚生労働省が公表した「就労条件総合調査」を見ると、多くの項目で「宿泊業、飲食サービス業」がワースト1位となっているのだ。
労働時間の長さも休みの少なさも「ワースト1位」。

まず目に付くのは「週所定労働時間」の長さ。
全企業の平均は39時間26分だが、「宿泊業、飲食サービス業」は40時間17分と最も長く、唯一の40時間超えとなっている。

労働時間が長いにもかかわらず、勤務日数も多い。
年間休日総数の平均が107.5日のところ、95.3日とここでもワーストに。
平均よりも12日少なく、休日が120日超えの「情報通信業」や「金融業、保険業」と比べると25日近い差が開く。

有給休暇の取得率もワースト1位。
平均が47.6%のところ32.2%しか消化できていない。

さらには所定内賃金が「生活関連サービス業・娯楽業」の25万6077円に次ぐ25万7528円でワースト2位。
最下位との差は、1500円足らずでしかない。

こういった労働環境のせいか、2014年の1年間の離職率の中で「宿泊業、飲食サービス業」は31.4%と最も高い。
新卒学生の離職率はさらに深刻で、2011年3月に卒業した学生のうち3年以内に離職してしまった人の割合は52.3%にのぼったという。

訪日外国人に心のこもった「おもてなし」をするためには、建物などのハード面もさることながら、サービス業の従業員の労働環境を整えることも重要ではないだろうか。

===ここまで===


【厚生労働省による発表資料】
平成27年就労条件総合調査結果の概況(PDFファイル)


【参考】
よろしければ、以下も参考になさって下さいねー。


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posted by 西区地域労組 at 11:30| 雇われて働く人に関係するニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする