2015年10月03日

労災請求企業の約6割、外国人技能実習実施機関の約8割で労働法違反

不当な解雇、雇い止め、派遣切り、賃金未払いや引き下げ、雇用保険や社会保険の未加入、サービス残業、長時間労働、セクハラやパワハラなどの職場いじめ、うつ病、過労死など・・・

労働に関するこんなトラブルが増加の一途を辿っています。

36協定(サブロク協定)について最低限知っておきたいこと
過労死の労災請求を行った企業の半数で違法残業、8割が労働法違反
長時間労働・パワハラ等による過労自殺はなぜなくならないのか?
労働基準法等違反8割超、企業名公表・書類送検も:ブラック企業調査結果

などの記事をご紹介しておりますが・・・

このような中、厚生労働省から新たな資料が発表されたので・・・

2つご紹介します。


労災請求があった事業場の約6割で違法な時間外労働
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

平成27年4月から6月までに2,362事業場に対して実施した、長時間労働が疑われる事業場に対する労働基準監督署による監督指導の実施結果を取りまとめましたので、公表します。

この監督指導は、長時間労働による過労死などに関する労災請求があったすべての事業場を対象としています。
4月から6月に監督指導を行った2,362事業場のうち、 約63%に当たる1,479事業場で違法な時間外労働を確認した。

なお、今年1月〜6月までに監督指導した事業場の合計は3,602事業場となりました。


【主な違反内容】
1. 違法な時間外労働があったもの:1,479 事業場(62.6 %)

・うち1か月当たり100時間を超えるもの:921事業場(62.3%)
・うち1か月当たり150時間を超えるもの:203事業場(13.7%)
・うち1か月当たり200時間を超えるもの:35事業場( 2.4%)
・うち1か月当たり250時間を超えるもの:12事業場( 0.8%)

2. 賃金不払残業があったもの:252 事業場(10.7 %)
・うち、時間外労働の最も長い労働者の時間数が1か月当たり100時間を超えるもの:118事業場(46.8%)

3. 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:406 事業場(17.2 %)


【監督指導事例】
○ 事例1:製造業
36協定の特別条項の上限時間である月100時間を超えて違法な時間外労働を約20名の労働者に行わせ、そのうち約10名は、3ヶ月連続で月100時間を超える違法な時間外労働を行わせていた。

○ 事例2:製造業
月170時間の違法な時間外労働を行わせ、さらに、4ヶ月について月100時間を超える違法な時間外労働を行わせており、面接指導を受けた労働者の中には、過重労働により、体力的にも精神的にも限界に近いと訴える者も認められた。

○ 事例3:IT関連業
労働時間はICカードにより適正に把握されていたものの、36協定の特別条項で定めた上限時間である月100時間を超える違法な時間外労働を約20名に行わせていた。
さらに、限度時間(月45時間)を超えて時間外労働を行わせることのできる上限回数の年6回を超えて年12回全ての月において違法な時間外労働を50名を超える労働者に行わせていた。

○ 事例4:運送業
36協定の特別条項の上限時間である月195時間を約80時間上回る月約275時間の違法な時間外労働を行わせ、さらに、限度時間(月45時間)を超えて時間外労働を行わせることのできる上限回数の年6回を超えて違法な時間外労働を行わせていた。

○ 事例6:通信業
36協定の締結・届出なく、月約175時間の違法な時間外労働を行わせ、かつ、月50時間を超えた分の割増賃金を支払っていなかった。

○ 事例7:コンビニエンスストア
36協定で定めた限度時間(月12時間)を超えて約120時間の違法な時間外労働を行わせるとともに、違法な休日労働を月に3日行わせていたにもかかわらず、これらに対する割増賃金を一切支払っていなかった。

○ 事例9:警備業
長時間労働などを原因とする労災請求(脳・心臓疾患を発症)があった事業場において、被災労働者以外の170名を超える労働者についても、月約220時間の違法な時間外労働を行わせていた。

○ 事例10:飲食店
長時間労働などを原因とする労災請求(精神障害)があった事業場において、管理監督者に該当しない被災労働者を管理監督者として取扱い、月約265時間の違法な時間外労働を行わせ、かつ、割増賃金を支払っていなかった。

===ここまで===


外国人技能実習生の実習実施機関に対する監督指導、送検の状況
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

全国の労働局や労働基準監督署などの労働基準監督機関が、平成26年に技能実習生の実習実施機関に対して行った監督指導や送検の状況について取りまとめましたので、公表します。

外国人技能実習制度は、企業などでの実習を通して技術を習得し、母国の経済発展を担う人材を育成することを目的としています。
しかし、実習実施機関では、労使協定を超えた残業、危険・健康障害防止措置などの未実施、割増賃金の不払いといった労働基準関係法令に違反したケースが依然として存在している。

全国の労働基準監督機関において、実習実施機関に対して3,918件の監督指導を実施し、その76.0%に当たる2,977件で労働基準関係法令違反が認められた。

主な違反内容は、

@ 違法な時間外労働など労働時間関係(25.8%)
A 安全措置が講じられていない機械を使用させていたなど安全基準関係(23.5%)
B 賃金不払残業など割増賃金の支払関係(17.8%)

の順に多かった。


【監督指導事例】
○ 事例1
基本給が5万円、時間外労働の割増賃金の時間単価が1年目350円、2年目400円、3年目500円であったほか、事業主は、隠していた直近の残業時間のメモを示し、技能実習生に違法な時間外労働を行わせていたことを認めた。

○ 事例2
日本人労働者の時間外労働は月80時間未満であったが、技能実習生のみに、恒常的に月平均100時間を超える違法な時間外労働を行わせており、時間外労働は月約120時間であった。

○ 事例3
時間外労働の割増賃金を、毎日1時間までは適正に支払い、1時間を超える時間については、時間単価300円で支払っていた。


【申告事例】
○ 事例1
事業主は「技能実習生がやりたいと言うから時間外労働をさせていた」「時間外労働の割増賃金をまともに支払っていたら元が取れない」と抗弁しつつ、割増賃金の時間単価について1日1時間を超えた分は400円(1年目は350円)であることを認めた。
賃金(基本給)については、事業主が各技能実習生に無断で銀行口座を作成し、毎月入金の上、通帳を保管しており、これらは帰国時にまとめて支払う取扱いとされていた。

○ 事例2
賃金(基本給)が1年目は月額5万円、2年目は月額6万円、3年目は月額7万円であり、時間外労働に対する割増賃金の時間単価が1年目は300円、2年目は400円、3年目は500円。
事業主は申告内容の事実を認める一方で「法定のとおり支払っていると会社経営が成り立たない」と抗弁した。


【送検事例】
○ 事例1
36協定の対象労働者に技能実習生は含まれていないにもかかわらず、技能実習生に対して、月約170時間、月平均約140時間の違法な時間外労働を行わせていた。
また、割増賃金の時間単価が300円から350円であり、技能実習生延べ7名に対して、2年4か月にわたり総額約1,000万円の不払が認められたため、実習実施機関(法人)及び事業主を送検。
監理団体の代表理事は、時間外労働の割増賃金の時間単価が100円から350円と記載された雇用契約書を作成し、来日前の現地での選考面接の際、技能実習生にサインさせていたことが明らかとなったため、共犯として、送検。

○ 事例2
被服製造業2法人において、技能実習生6名に対し、5か月間、

@ 賃金(基本給)が月額6万5千円から7万円であり地域最低賃金額に対し総額約180万円の不払
A 時間外労働・休日労働の合計が、月220時間、月平均190時間であり、36協定の協定時間を超える違法な時間外労働
B 割増賃金の時間単価が300円から400円であり、総額約420万円の不払

の状況が認められたため、実習実施機関2法人及び事業主1名を送検。

○ 事例3
縫製業で技能実習生6名に対して、8か月間、事業主は「帰国の際にまとめて支払えば文句ないだろう」との理由で賃金を全く支払わず、不払いとなっている賃金が総額約1,100万円であった。
また、時間外労働・休日労働の合計が、月約240時間、月平均約170時間と、36協定の協定時間を超える違法な時間外労働を行わせていたため、事業主を送検。

○ 事例4
金属製品製造業で実習を行う技能実習生が、重量2.6トンの鉄骨を、1人で玉掛けの上、吊り上げ荷重2.83トンのクレーンで18メートル移動させた際、吊り上げた鉄骨が倒れ、技能実習生が別の鉄骨との間に挟まれ、死亡した。
死亡した技能実習生は、吊り上げ荷重1トン以上のクレーンの玉掛け作業に必要な技能講習を修了していないなど、無資格であったため、実習実施機関(法人)及び事業主を送検。

○ 事例5
足場組立業で実習を行う技能実習生が、住宅新築工事現場で、落下した足場資材により左手の小指を粉砕骨折するなどの負傷をして、64日間休業した労働災害について、事業主は、元請から仕事をもらえなくなること等を懸念し、自社の敷地内で足場資材が落下し負傷した旨を記載した労働者死傷病報告を監督署に提出した。
災害発生場所を偽って報告していることが発覚したため、労災かくし事案として、実習実施機関(法人)及び事業主を送検。

===ここまで===


【参考】
よろしければ、以下も参考になさって下さいねー。


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posted by 西区地域労組 at 21:05| 雇われて働く人に関係するニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする