2015年03月29日

金銭解雇制度(解雇を金銭補償で解決する制度)の導入案がまた浮上

高度プロフェッショナル制度と名称変更し残業代ゼロ法案国会再提出
過去に2度も廃案になった労働者派遣法改正案を修正・変更し閣議決定

などといい、どうもこのところ過去に見送ったものがしつこく復活して来る傾向が強いように感じませんか?

このような中、随分と前に

新裁量労働制、金銭解雇、有給買取制度など新たな動き

で触れていた「金銭解雇制度(解雇を金銭補償で解決する制度)」の導入案が・・・

ゾンビのようにしつこくまた浮上して来たため、関連記事についてご紹介いたします。


1. 規制改革会議 ”労使紛争で金銭解決の制度を”(NHK NEW WEB)

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政府の規制改革会議は会合で、雇用契約の終了を巡る労使間の紛争の早期解決に向けて、労働者側が申し立てることを前提に企業が金銭を支払うことで解決を図ることができる制度の導入を検討すべきだとする意見書を取りまとめました。

それによりますと、雇用契約の終了を巡る労使間の紛争について、

「早期に納得のいく解決が得られることが働く者にとって極めて重要であり、多様な解決手段が有効に活用され、利用者の視点からより使いやすいものにする必要がある」

と指摘しています。

そのうえで、裁判で「解雇無効」の判決が出た場合、雇用の継続という選択肢のほかにも、労働者側が申し立てることを前提に企業が金銭を支払うことで解決を図ることができる制度の導入を検討すべきだとしています。

また、会合では多様な働き方を実現するため、休暇の取得状況などを企業に開示させる仕組みや、社員の技能の向上に積極的に取り組む企業を支援する方策などを検討するよう求める意見書も取りまとめられました。

規制改革会議は今後、厚生労働省などとも調整したうえで、こうした内容を、ことし6月にまとめる答申に盛り込むことにしています。

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2. 不当解雇に解決金制度 規制改革会議が意見書(日本経済新聞)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

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政府の規制改革会議は、すでに裁判で不当と認められた解雇を、金銭補償で解決する制度の導入をめざす意見書をまとめた。

解雇された労働者から申し立てがある場合だけに適用する制度とする。
不当解雇をめぐるルールを明確にし、労働者が泣き寝入りを迫られる事態を防ぐ。
経営者側も労働紛争の決着を見通しやすくなる。

6月をメドに政府が閣議決定する規制改革実施計画にこうした方針を反映する。
法整備に向けた議論が動き出すが、曲折も予想される。

解決金制度は裁判で不当解雇と認められたとき、労働者が職場に戻るかわりに、法律で定められた一定額の補償金を使用者から払い、雇用関係を解消する仕組み。

規制改革会議は意見書で

「金銭解決の選択肢を労働者に明示的に付与し、選択肢の多様化を検討すべきだ」

と提起した。

ただ、不当解雇と認められたなら職場に復帰したい、という労働者もいる。
あくまで「労働者側からの申し立てのみ認めるべきだ」と強調した。

解雇ルールは現在、労働契約法16条

「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とする」

と定めている。

判例によれば、整理解雇が認められるのは「4条件」を満たすケースだ。
まず、人員削減をしなければ会社の存続が難しくなるということが大前提だ。

経営者は解雇を避けるため、役員や従業員の報酬を減らすなど努力を尽くす必要がある。
解雇対象者の人選が妥当か、本人への説明などの手続きが適正か、も条件に含む。

解決金制度は裁判でこれらを争い、不当解雇と認められた後の手続きになる。
4条件が変わるわけではない。

制度導入を検討するのは、現実には裁判後に職場に復帰するより、金銭補償による和解で解決しているケースが多いとみられることが背景にある。

労働法制見直しは政権がめざす岩盤規制改革の柱だ。
時間ではなく成果に対し賃金を払う「脱時間給」制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)派遣労働の規制緩和に向けた法改正は今国会の焦点になっている。

解決金制度も2014年に産業競争力会議で議論されたが、踏み込めなかった。
中小企業の経営者は補償金額の引き上げにつながると慎重で、連合などは解雇拡大の口実を与えかねないと警戒している。

===ここまで===


3. 規制改革会議 : 金銭解雇の導入提言 申請は労働者だけ(毎日新聞)
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これまで「解決金制度」(金銭解雇)制度は再三検討されたが、「カネさえ払えばクビにしたい従業員を切れる」との批判を浴び、見送られてきた。
今回はその点に配慮し、制度適用の申請を労働者の権利と位置づけ、使用者側からの申し入れは認めないとしている。

日本の場合、解雇無効の判決が出ると、対象の労働者は職場へ戻る道が開かれるが、使用者との信頼関係が崩れて復帰できないことも多い。
また、解雇を巡る紛争解決には、訴訟以外に労働審判、労働局のあっせんによる金銭の支払いがあるものの、規制改革会議は

「解決までの期間や金額にばらつきがあり、先行きを見通しにくい」

としている。

金銭解雇は欧州では一般的。
日本では小泉政権のほか、安倍政権でも第1次政権から検討されたが、野党や連合はその都度、

「失業保障や再就職支援が充実し、同一労働同一賃金が確立している欧州と日本は違う。解雇規制を根底から覆す」

と批判し、政府も導入を見送ってきた。

それでも政権は金銭解雇を断念したわけではなく、昨年6月の「日本再興戦略」には

「諸外国の制度を研究し、2015年中に検討」

との一文を潜り込ませていた。

これを受け、規制改革会議は再び提起する一方で、批判をかわすため、意見書には

「労働者側からの申し立てのみ認める」

と明記した。

厚生労働省は夏にも新制度を検討する有識者会議を設ける。
同省は

使用者に金銭解雇の申し立てを認めないなら、悪用に一定の歯止めはかかる」

と見るが、連合は

「後々使用者にも認める可能性がある」

と警戒する。

このほかにも勤務年数が長い人への金額設定など、課題は少なくない。

===ここまで===


4. 「安易な解雇」懸念 金銭解決制度、労組反発も 解決金水準も焦点(朝日新聞)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

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今の日本では、裁判で解雇が無効になっても、労働者が職場に戻ることを求める権利は原則として認められていない。
このため、会社側が職場復帰を拒否すれば、労働者が金銭解決を迫られる危険性が残る。

今後、経済界から、企業にも申し立てを認めるよう求める声が上がる可能性もある。
解決金の水準も焦点だ。

日本では、裁判に比べて労働審判やあっせんでの解決金の金額が低い。
金銭解決ができれば解決金の水準が明確になり、裁判を起こす余裕がなくて泣き寝入りしてきた労働者にとってもメリットがある。

一方、これまで安く解雇できた企業にとっては、新制度で解決金の水準が高くなることに警戒感がある。

03年の労基法改正時には、解決金の水準を決めないまま審議会の意見がまとまった。
ところが、労働側が強く反対しただけでなく、解決金の水準を巡って中小企業団体との調整がつかず、最終段階で法案から削除された経緯がある。

解決金の水準について、今回の提言をまとめた規制改革会議の雇用ワーキンググループの座長は

「今日は入り口の提言。相場を言うのは時期が早い」

と明言を避けた。

今でも金銭解決の仕組みは事実上あり、新たな制度はいらない。
裁判所が「不当解雇」と認めた労働者が金銭での和解をもちかければ、ほとんどの企業は応じているのが実態だ。

裁判に勝ったら元の職場に戻りたいと考える人も多い。
そういう働き手にとって、お金をもらって早期解決をはかると言われても意味はない。

それに、裁判で解雇無効が確定しないと制度は使えないため、解決までの時間が短くなるとは思えない。
いったん制度を導入して、あとで適用範囲を広げる恐れもある。


■ 解雇問題を解決する主な仕組み

【行政機関によるあっせん】
解決金など 17.5万円
解決までの期間 2.4カ月

【労働審判】
解決金など 100万円
解決までの期間 6.4カ月

【裁判上の和解】
解決金など 300万円
解決までの期間 15.6カ月

===ここまで===


5. 解雇の金銭解決(高知新聞)
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===ここから===

「解雇の金銭解決」は、裁判で「不当解雇」が認められた労働者について、職場復帰ではなく金銭の支払いで決着する制度の導入だ。

労働契約法は客観的に合理的な理由がない解雇を無効と定める。
経営悪化による「整理解雇」の場合は、これまでの判例の積み重ねによって、労働者側には責任がないとして、より厳しく規制されている。

ただし、解雇をめぐる企業と労働者のトラブルは多発している。
労働局による紛争解決制度や労働審判、労働委員会のあっせんなどで早期解決が図られる一方、訴訟になるケースも少なくない。

規制改革会議は、裁判は時間がかかり、不当解雇と判断されても職場との信頼関係などから復帰が困難な場合がある、とする。
そこで提案したのが、企業が一定の補償金を支払う「解決金制度」の導入だ。

「解決金制度」は、労働団体などが「解雇が容易になる」と強く反発し、見送られてきた。
企業側の申し立てを認めず、労働者側に限定したのは根強い懸念への配慮からだ。

例えば、企業が支払う解決金の水準がある。低額にした場合、企業が「とりあえず解雇して」という行動をとる可能性はゼロではない。
逆に高額の場合、労働者側にはメリットもあるが、経済界から反発が出てくるだろう。

制度がいったん導入されると、企業側にも申し立てを認めよ、との要求が今後出てくるかもしれない。
労働団体などが指摘する

「金さえ払えば自由に解雇できるという風潮が広まってしまう」

との懸念も、決して過剰な反応とはいえまい。

現在の解雇規制ルールは、使用者に比べて労働者の立場が弱いことを踏まえて形づくられてきた。
政権は競争力アップなどを掲げて、そうした規制の見直しに熱心だが、労働者保護の視点からは危うさがつきまとう。

===ここまで===


6. 解雇規制の緩和 改悪許せば社会の底が抜ける(愛媛新聞)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

労働者が解雇され裁判で無効判決が出ても、金銭を支払って辞めさせられるようになる。
過去何度も頓挫した

「金さえ払えば、企業が自由にクビにできる」

制度に他ならない。
労働規制改革の名の下、またも持ち出してきたことに強い憤りを覚える。

労働審判など金銭解決の仕組みは既にある。
まず解決金の水準引き上げや厳格化の議論こそなされるべきであって「解雇しやすいルール」への変更は到底容認できない。

提言は「労働者側の紛争解決の選択肢を増やす」ことが目的と強調。
労働者からの申し立てのみを認めるとした。

一見限定的だが、ひとたび導入を許せば企業からの申請も認めるよう、なし崩し的に適用拡大が図られるであろうことは想像に難くない。

職場復帰への道は広がらない上、もともと十数万〜300万円程度と、欧米に比べて著しく安い解決金の水準が上がらなければ、企業は不当と知りながらまず解雇し、金銭を払って終わりとするような安易な解雇が横行しかねまい。

解雇ルールは2003年に初めて法制化。
圧倒的に立場の弱い労働者保護のため、労働契約法は客観的に合理的な理由がない解雇を無効と定め金銭解決も導入を見送った。

それでも現実には雇用の流動化が急速に進み、非正規労働者は約4割に。
労働の質は、低下の一途をたどっている。

この上、解雇ルールの緩和を含めた「労働改悪」を許せば、働きがいも雇用の安定も大きく失われ、社会の底が抜けよう。

===ここまで===


【参考】
よろしければ、以下も参考になさって下さいねー。


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posted by 西区地域労組 at 12:45| 雇われて働く人に関係するニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする