2014年06月15日

労働時間規制の見直し・緩和(残業代ゼロ政策)は誰のためなのか?(3)

労働時間規制の見直し・緩和(残業代ゼロ政策)は誰のためなのか?(1)
労働時間規制の見直し・緩和(残業代ゼロ政策)は誰のためなのか?(2)

にて、どのような労働時間規制の見直し・緩和(いわゆる「残業代ゼロ法案」)を行おうとしているのか、何の目的があって誰のために労働時間規制の見直し・緩和(残業代ゼロ)を行おうとしているとしているのか、どのような「労働時間制度」を新たに創設しようとしているのかについてご紹介しておりました。

その後、動きがありましたので・・・

労働時間規制の見直し・緩和(いわゆる「残業代ゼロ法案」)に関係する続報とも言える関連記事をご紹介します。


1. 年収少なくとも1000万円以上 労働時間の規制緩和(日本経済新聞)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

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働いた時間ではなく成果に応じて給与を払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」について、対象者の年収基準を「少なくとも1000万円以上」とすることを決めた。
月末にまとめる成長戦略に明記する。職種は金融のディーラーなど「職務の範囲が明確で、高い能力を持つ労働者」と記す。

改革が進まなかった労働規制に風穴が開く。

労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)で、具体的な金額など仕組みを詰める。
2015年の通常国会に労働基準法の改正案を出し、16年春の施行を目指す。

新たに導入するのは、1日8時間、週40時間という労働時間の規制を外す仕組み。
長く働いても残業代や深夜・休日手当が出ないため、仕事を効率的にすませる効果が期待できる。

日本では課長以上の管理職はもともと労働時間規制を外しているが、それ以外の社員を対象から外すのは初めてとなる。

===ここまで===



2. 「残業代ゼロ」年収1千万円以上 政府、最終調整(朝日新聞)
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対象者は業種を限定せず、年収1千万円以上の高年収者に絞り込むことで、詰めの協議をしていることを明らかにした。
また、年収が1千万円より低い働き手には、労働時間を想定し賃金を決める「裁量労働制」を拡大する。

この制度では、深夜や休日労働時の割増賃金は出るが、想定した時間を超え働いても残業代は支払われない。
いまは企画や調査、研究部門など対象業務が限られ、企業から営業職などへの拡大を求める声が出ていた。

多くの働き手が「残業代ゼロ」で長時間労働を強いられる懸念が広がっていることに配慮したが、いったん制度が始まれば対象が広がる恐れもある。

今月末にまとめる成長戦略に盛り込み、来年の通常国会での労働基準法の改正を目指す。

===ここまで===


3. 【残業代ゼロ制度導入 】対象拡大の懸念根強く 働き過ぎの歯止め見えず(47News)
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===ここから===

経団連の会長は

「少なくとも全労働者の10%ぐらいは適用を受けられるような制度にしてほしい」

と発言。

詰めの調整に入っていた厚労省幹部を驚かせた。

経団連関係者は「公式見解ではない」とするが、経済界が将来的にはより広範な労働者を想定していることをうかがわせた。
後に範囲が大きく広がるきっかけとなる「アリの一穴」になりかねない、との懸念が出ている。

規制緩和は これだけではない。
政府は、労働時間にかかわらず一定の賃金しか支払われない「裁量労働制」の拡大にも踏み切る。

対象は広範囲に及ぶ可能性がある。
深夜・休日の割増賃金はある点でホワイトカラー・エグゼンプションとは異なるが、長時間労働を招くリスクをはらむ。

政府は来年の通常国会に労働基準法の改正案を提出する方針。

===ここまで===



4. 残業代0円は、明日は我が身 労働条件を切り下げるための残業代ゼロ法案(BLOGOS)
※以下は一部引用ですので、全文読みたい方は上記リンク先からご覧下さい

===ここから===

1000万円以上の年収だから圧倒的多数の国民には関係ない?
自分には関係ないと思っていてはいけません。

1000万円なんていう基準は、いくらでも変更することができます。
気づいたときには、

1000万円 → 800万円 → 500万円 → 300万円 → 基準撤廃

ということが目指されていることは明らかです。

このような手法はいつものことです。
消費税も元々は、こんな感じでした。

派遣業の解禁も同じ。
その対象はどんどん拡大され、絶対にダメとされてきた製造業にまでその対象が拡大されました。

実際に個別の労働者の「能力」と言ってみても、これを適正に評価できる体制がなければ、労働者側の不満が高まることは必然です。
労働契約という観点からも問題はあります。

残業代0円法案のもとではどうなるのか、同じ仕事(成果)に対しては同一給与(残業代なし)となり、あたかも平等になるようにも見えますが、しかし、本来的にはそのようなことで対処すべきものではありません。

残業代を過剰に請求する労働者への不満が原因で、労働者自身が残業代0円法案を望むというようなことになれば本末転倒です。
それは必ずや自分にも牙をむいて向かってきます。

多くの労働者がこの残業代ゼロ法案に不安(危惧)を持つのは当然のことです。
日本の労働者の労働条件全体が引き下げられることになるのは必至です。

だから労働基準法最低賃金法によって最低限の労働条件が規律されなければならないわけだし、憲法においてもそれは当然の前提にしています。

労働者には選択の余地などなく、ましてや日本全体にこのようなやり方が拡がればパート労働者にも選択の余地がなくなります。
労働者の提供する労働力を1つの商品のように扱い、できるだけ安く買い叩こうとする姿勢があからさまです。

このような政策を実施していれば、現在、首都圏ではコンビニのアルバイトが日本人労働者(学生)によって敬遠され外国人留学生によって占められているように、日本人労働者は「成果給」を敬遠し、その結果、日本人労働者の「失業」増大を招きかねません。

かえって日本の生産力の低下、財政負担の増大に結びつく最悪の政策となります。

===ここまで===



5. 残業代ゼロ、不安拡大 「働き過ぎ・過労死増える」(朝日新聞)
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===ここから===

どんなに長く働いても、成果で賃金が決まる制度の導入が決まった。
働き手にとっては、「残業代ゼロ」で長時間労働を強いられる恐れがある。

「いったん制度が始まれば対象は拡大する」

との不安が働き手に広がっている。

時間がたつにつれ、制度の対象がより年収の低い働き手に広がる、との心配も根強い。
労働者派遣法でも、派遣労働者に任せられる仕事の範囲がどんどん拡大してきたからだ。

大手金融機関で働く30代の男性は、今の年収が1千万円弱。
想定される新制度の対象にもうすぐ届く。

「残業という概念がなくなれば、会社が労働時間の管理をしなくなり、過労死が増える」

と心配する。

今春の異動を機に「裁量労働制」という働き方に切り替わった。
今の働き方では最も新制度に近い。
上司からは同意書を手渡され、その場でサインを求められた。

「断るなんて選択肢はなかった」

新制度は本人同意を条件とする見通しだが、経営側と比べ、働き手の力関係は弱いのが現実だ。

毎日、午前8時から午後10時過ぎまで働き、週末も出勤した。
労働時間は前の職場よりも70時間も延びた。
月300時間を超えたのに、手取りはほぼ横ばい。
休日手当が数千円ついただけだった。

新制度では、休日手当すらつかない。

大手IT企業で「裁量労働制」により働くシステムエンジニア(SE)の30代男性も、新制度について

「長時間労働に歯止めがなくなる」

と話す。

毎日、帰宅は夜12時過ぎ。残業時間は月100時間を超すが、会社には残業時間を短めに申告する。
システム構築などひとつのプロジェクトを抱えると、その費用に同僚の人件費も含まれる。

このため、深夜手当や休日手当が多額になるほど、プロジェクトの採算が悪化するからだ。
人事評価の低下にもつながり、解雇される社員もいる。
顧客の注文に応えるために仕事は増える一方だ。

「残業をないものとすれば、時間あたりの生産性は上がるだろうが、働き過ぎを防ぐ解決にはならない。人件費を抑えたい企業側に都合がいい制度だ」

と話す。

かつてコンビニ店の店長として働いていた30代の女性は

「対象範囲が広がるのは目に見えている。働く人の権利が奪われ、ブラック企業ばかりになる」

と心配する。

「管理職だから」と残業代は出ず、37日連続勤務などの長時間労働で体調を崩し、うつ病に。
管理職として実態がない「名ばかり管理職」だとして未払い残業代を求めて提訴。

残業代や有給休暇など労働者に当然の権利も、実際に要求するのはとても難しい。『残業代ゼロ』が合法になれば、さらに声を上げられなくなる」

===ここまで===


【参考】
よろしければ、以下も参考になさって下さいねー。


どんな解雇なら不当で、どんな解雇なら不当ではないの?
なぜ会社は辞表(退職願・退職届)を書かせようとするのか?
「クビだ!」等と言われた時、やるべきこととやってはいけないこと
社長や上司の一言で即日解雇って、あり?なし?

会社が労災を認めない、会社が労災の申請をしてくれない時の対処方法
労災認定基準:労働基準監督署はどんな基準で労災を判断するのか
うつ病等の労災認定基準:パワハラ、セクハラ、長時間労働など
勤務先の会社の労災保険加入状況を調べる方法

36協定(サブロク協定)について最低限知っておきたいこと
サービス残業:裁量労働制、年俸制、ノー残業デーにご注意下さい
年俸制、管理職、営業職、技術職などってサービス残業が普通なの?
残業代が出ない時に自力で請求できる方法とは?労働審判制度とは?
自社製品の購入を強制された時って、断ったらダメなの?
パワハラ(パワーハラスメント)を厚生労働省が6類型に分類
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勤務先の会社の雇用保険加入状況を調べる方法
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「就活とブラック企業――現代の若者の働きかた事情(ブラック企業の見分け方など)」

労働組合とは(1)(超基本編)
労働組合とは(2)(「社内に労働組合がない時は?」編)
労働組合とは(3)(「労働組合の種類って?」編)
労働組合とは(4)(「労働組合のあるべき姿って?編)」
労働組合とは(5)(「労働組合の存在意義って何だろう?」編)
労働組合をつくったり加入したりすることに社長は反対できるのか?
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posted by 西区地域労組 at 15:25| 雇われて働く人に関係するニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする