2014年02月22日

長時間労働等で自主退職する前に知っておきたい失業金の事

「長時間労働だから、会社を辞めたい」
「あまりにも残業が多くて、倒れてしまうか過労死するかしてしまいそうだから退職したい」

パワハラやセクハラがひどいので退職したい」
「職場いじめがひどくて、体調を崩したりうつ病になりそう(なった)なので、自主退職したい」

求人票に書いてあったことと、実際の給料や仕事内容があまりにも違い過ぎるから辞めたい」

そんな風に思う時ってありますよね。

労働組合などに相談して、団体交渉を行ったりする気力や体力がある場合は、ご相談いただければいいのですが・・・

そんなことよりも何よりも、とにかく早く辞めて解放されたい。
一刻も早く仕事を辞めて、会社と手を切りたい。
さっさと新しい仕事を見つけて転職したい。

そんな風に切羽詰っている状況の時もありますよね。
体調を崩したりうつ病になりそうだったり、倒れてしまいそうだったり過労死してしまいそうな時であれば、早く辞めたいと尚更感じるのではないでしょうか。

でも、失業金のことを考えると、自主退職をしようかどうしようかと迷ってしまう。
自己都合で退職をしようかどうしようかと迷ってしまう。

いっそのこと解雇してくれた方が、失業金がすぐにもらえて助かるのに・・・
そんな風に悩んでしまうこともありますよね。

会社を辞める意思が固いのであれば、今後の生活のためにも、会社を辞める前に知っておいて損しないことや是非やっておきたいことがあります。

このような場合は、

自主的な退職(自己都合退職)であっても
勤務先が倒産した時や
会社都合よる解雇の時のように
失業金を早くもらえたりたくさんもらえたりする


ケースに該当する可能性がありますので・・・

もしかしたらお役に立つかもしれない情報をご紹介しておきますね。

それは何か言うと、「特定受給資格者」というものの存在です。

会社が倒産して失業したり、会社から解雇されて失業したりといった場合は、失業金をもらえるまでの時間が短いということについてご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
会社が倒産した場合や解雇された場合などは、この「特定受給資格者」に該当します。

この「特定受給資格者」というのは、会社都合による失業のみが対象ではありません。
自主退職の場合であっても、「特定受給資格者」に該当する場合があります。


特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要(ハローワーク)

から、「特定受給資格者」に関するものを一部引用してご紹介すると以下のように明記されています。

※以下は「特定受給資格者」に関するものの一部引用ですし、「特定受給資格者」に該当していなかったとしても「特定理由離職者」に該当している場合もありますので、自主退職を検討中の方は上記のリンク先を確認してから辞めることを強くおすすめします


【長時間労働に関係する内容】
● 離職の直前3か月間に連続して労働基準法に基づき定める基準に規定する時間(各月45時間)を超える時間外労働が行われたため、又は事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者


【パワハラやセクハラなどの職場いじめに関係する内容】
● 上司、 同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者及び事業主が職場におけるセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、雇用管理上の措置を講じなかったことにより離職した者


【転勤・配置転換・人事異動に関係する内容】
● 事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行って いないため離職した者


【雇用契約に関係する内容】
● 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者
● 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上 引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないことと なったことにより離職した者
● 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者


【給料に関係する内容】
● 賃金(退職手当を除く)の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった月が引き続き2か月以上となったこと等により離職した者
● 賃金が、当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した (又は低下することとなった) ため離職した者


ちなみに、上記の【長時間労働に関係する内容】ですが、2014年度から要件が以下のように緩和されますので、あわせてご紹介しておきますね。


「働き過ぎ」で離職…失業給付、加算の要件緩和(読売新聞)

===ここから===

厚生労働省は、過重労働が原因で離職した人への失業給付の加算について、2014年度から支給要件を緩和する方針を固めた。

離職直前に長時間の残業をしなくなっていても、受給資格を認める方向だ。

働き過ぎによる心身の疲れを理由に離職を申し出た人は、倒産やリストラによる離職者と同様の「特定受給資格者」として、失業給付の期間が大幅に延長されるほか、通常は給付を受けられない雇用保険の加入期間が1年未満の場合でも、90日間の給付を受けられる。

この制度を巡っては現在、離職前の残業時間が3か月連続で45時間を超えることが要件とされている。
しかし、厚労省によると、離職前の1か月間は、業務の片付けや引き継ぎなどで勤務時間を減らしていく人も多く、特定受給資格者の対象外となってしまう問題が生じていた。

===ここまで===


「特定受給資格者」に該当すると認定された場合は、一般受給資格者の場合と比較すると以下のような違いがあります。

【雇用保険を支払った期間】
※被保険者期間とは、雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1か月ごとに区切っていた期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月と計算します

● 特定受給資格者の場合
離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。

● 一般受給資格者の場合
離職の日以前2年間に、「被保険者期間」が通算して12か月以上あること。


【失業金をもらえるまでの期間】
● 特定受給資格者の場合
手続きを行ってから、8日程度

● 一般受給資格者の場合
手続きを行ってから、3ヶ月程度


【失業金の給付日数】
※詳細については、ハローワークのQ&AのQ4をご確認下さい

● 特定受給資格者の場合
※離職時の年齢と被保険者期間によって異なります

・30歳未満
被保険者期間が1年未満:90日
被保険者期間が1年以上5年未満:90日
被保険者期間が5年以上10年未満:120日
被保険者期間が10年以上20年未満:180日

・30歳以上35歳未満
被保険者期間が1年未満:90日
被保険者期間が1年以上5年未満:90日
被保険者期間が5年以上10年未満:180日
被保険者期間が10年以上20年未満:210日
被保険者期間が20年以上:240日

・35歳以上45歳未満
被保険者期間が1年未満:90日
被保険者期間が1年以上5年未満:90日
被保険者期間が5年以上10年未満:180日
被保険者期間が10年以上20年未満:240日
被保険者期間が20年以上:270日

・45歳以上60歳未満
被保険者期間が1年未満:90日
被保険者期間が1年以上5年未満:180日
被保険者期間が5年以上10年未満:240日
被保険者期間が10年以上20年未満:270日
被保険者期間が20年以上:330日

・60歳以上
被保険者期間が1年未満:90日
被保険者期間が1年以上5年未満:150日
被保険者期間が5年以上10年未満:180日
被保険者期間が10年以上20年未満:210日
被保険者期間が20年以上:240日


● 一般受給資格者の場合
※離職時の年齢ではなく、被保険者期間によってのみ異なります

・全年齢
被保険者期間が1年以上10年未満:90日
被保険者期間が10年以上20年未満:120日
被保険者期間が20年以上:150日


なお、この「特定受給資格者」についてですが、特に自主退職の場合は注意が必要です。
なぜなら、

自己申告が前提なので、
ハロワの職員の善意には期待できない


ということなのです。

つまり、たとえば長時間労働で「特定受給資格者」の範囲に該当するのであれば、

● 3ヶ月連続で45時間時間を超えるの残業があったことを書面で証明できる証拠を揃えた上で
● 証拠書類の提出とともに、「特定受給資格者」の2-(5)に該当するとハローワークに自己申告

する必要があります。

※証拠の揃え方については、以下の【必要となる証拠とは?】と【具体的には、どうすればいいのか?】をご参照下さいませ
※但し、残業代を取り戻したい場合であっても「特定受給資格者」は別物ですので、「特定受給資格者」に該当する = 未払いの残業代を取り戻せるわけではありません

残業代が出ない時に自力で請求できる方法とは?労働審判制度とは?


【参考】
よろしければ、以下も参考になさって下さいねー。


どんな解雇なら不当で、どんな解雇なら不当ではないの?
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posted by 西区地域労組 at 20:25| 知ってトクする!こんな話あんな話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする