2010年01月31日

解雇や職場いじめなど、他の人は何をどんな風に相談してるの?

誰かに相談となると、相当ハードルが高いと感じてしまうものですよね・・・。

「こんな些細なことって、相談しても大丈夫なのかな?」
「他の人は、どんなことを相談しているのかな?」
「そもそも労働相談って初めてだし、何をどんな風に相談したらいいかわからない・・・」

「たとえ相談しても、会社が正しい!お前が間違ってる!って言われちゃうだけじゃないのかな?」
「それぐらい我慢しないと、仕事なんて出来ないよね?って言われちゃうだけじゃないのかな?」
「不景気なんだからサービス残業や給料カット、解雇されても仕方ないって言われちゃうだけじゃないのかな?」

「相談した後、どうなるのか不安なんだけど・・・」
「相談したことによって、同僚にも迷惑がかかるかもしれない・・・」
「労働相談したことが会社にバレたら、もっと悪化するんじゃないの?クビになるんじゃないの?」
「裁判とか大事になったらイヤだな・・・」

などなどの、不安や悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

そんな不安や悩みもあって、労働相談したくてもなかなか出来ない・・・そんな方も多いのではないでしょうか?
事を荒立てるより、自分さえ我慢すれば・・・と泣き寝入りをしてしまう方も多いのではないでしょうか?

うーん・・・
そのお気持ち、よーくわかりますね・・・。
(こうやってブログを書いている私だって、以前はそうでしたので・・・)

なので・・・

今回は、こんな本をご紹介してみますねー。(^^)

「労働トラブル相談日誌 この給料、契約と違うじゃん!」


この本は、「労働相談センター」で労働相談と日々真摯に向き合っていらっしゃる方が書かれたものです。

「働く職場で起きているトラブルの実際と、解決の方法はある!ということを、多くの方に知って欲しい」

という想いが、ひしひしと伝わって来る一冊です。
(激しく同感です)

書籍タイトルだけを見ると、給料に関することだけ?
と、とらえてしまいがちですが、そんなことはありません。
「労働トラブル相談日誌」ですので。(^^)
(表紙の絵を見ると、ちょっと引いてしまうかもしれませんが・・・)

「労働相談センター」に寄せられる相談の中で多いものは以下とのことです。
(どこも同じような問題ばかりですね・・・)

・解雇問題
・労働契約違反
・残業代の未払いや賃金の支払いに関するもの
・労働時間や休憩、休暇に関するもの
・労働災害や職業病(うつ病など)の問題

それらの中から18の事例が、物語風にわかりやすくまとめられています。
雇用形態は、正社員、派遣、パート、アルバイト、個人事業主など様々。
相談のきっかけや相談の仕方なども様々。

でも・・・

使用者労働者などの当事者だけではどうにもならなかったのに、第三者機関が関与した途端、今までの泥沼がウソのようにあっさり解決できたような事例

が、比較的多いです。

つまり、

「自分の後に労働法を熟知した専門家がいる or 自分は労働法について知っている」と、会社側に臭わせるような質問をちょっとするだけでも、効果を発揮する場合が多々あり

って、ことです。

逆に言うと・・・

会社側が専門用語や複雑な説明などを多用することで、もっともらしく聞こえる根拠を振りかざして労働者の弱みを突き、泣き寝入りさせていることがいかに多いか!!

とも言えますね・・・。
(会社側が本当に知らなくてやってしまっている場合、知っていてワザとやっている場合の両方ありますが・・・)


例えば、こんな物語が掲載されています。


● こんな雇用契約書の特記事項ってあり?誓約書にサインしなければ仕事をもらえないの?

・勤務先:派遣会社
・相談者の契約形態:派遣社員

【雇用契約書の特記事項】
@ 所属長から残業、休日出勤の指示がでた場合、特別の理由がない限り指示に従う
A 無断欠勤が3日以上続いた場合は、社員資格がなくなる場合がある
B やむを得ず事業所縮小により契約解除となることがある

【誓約書の内容】
C 現場の秩序に営業を与えるような政治活動・思想活動・宗教活動・およびその他の団体活動は行いません
D 業務の都合により勤務場所・勤務時間およびその他の勤務内容に変更があっても、異議申し立てをすることなくそれに従います
E 故意に以上の各条項に違反したことにより、貴社に損害を与えた時は、貴社の被った被害の一切につき賠償致します
F 試用期間中に社員としての適格性があると認められなかった時、また、試用期間終了後も欠勤・遅刻・早退が多く発生し、職務に不適格と認められる時は、解雇されても異議ありません

【相談員の対応】
@ 雇用契約書で予め「指示に従う」と約束させることは、労働者から時間外労働の拒否権を奪うことになり問題
A 厚生労働省の見解は、「原則として2週間以上理由なく無断欠勤し、出勤の督促にも応じない場合」
B 整理解雇を行うには、解雇4要件を全て満たす必要がある
C 政治活動等について就業規則で就業時間中の政治活動を禁止する条項を定めている場合は制限を受けるが、昼休みや休憩時間など就業時間外の活動禁止は不可
D 使用者は、契約内容を変更する場合には、労働者と「対等な立場で」話し合って双方合意後、初めて契約変更が可能になる
E 使用者は、違約金を定める、損害賠償額を予定する契約をしてはなりません
F 「適格性」や「不適格」としている判断基準が不明確で、使用者に白紙委任することになるため、誓約すべき事項ではない

などを説明した上で、
誓約書提出が雇用契約条件なのかをまずは派遣会社に確認するよう相談者に依頼し、もし雇用契約条件との回答であればその対処方法に関するアドバイスを実施。


転籍を拒否したら、嫌がらせが続いた・・・

・勤務先:機械メーカー
・相談者の契約形態:正社員
・社内に労働組合:あり

【相談員の対応】
・転籍を実施するには、本人の同意なければ行うことはできない
・たとえ、労働組合が承認したとしても、本人の同意が得られなければ実施できない
・同意が取れないからと言って、対象者を狭い部屋に押し込めるなどは制裁措置で人権侵害

などを説明した上で、

・業務命令権の根拠、就業規則の定めがどうなのか、労働組合との労働協約の規定はどうなのか、前例はどうであったのか等の資料を揃えてチェックする
・社内労働組合への再度相談する
・社内労働組合に相談にのってもらえない場合は、誰でも一人からでも入れる合同労働組合の紹介
合同労働組合への加入後、元の職場に戻すよう交渉

などのアドバイスを実施。
※結果としては、合同労働組合へ加入後、団体交渉によって転籍を免れた事例


● あんなに働いてたったこれだけの給料?さも正論に聞こえる専門用語と複雑な説明で説得しようとする会社

・勤務先:派遣会社
・相談者の契約形態:派遣社員

【相談員の対応】
・労働基準法で定める労働時間:原則として1日8時間、1週40時間を超えてはならない
・労働基準法で定める休日:原則として週1回以上与えなければならない
36(さぶろく)協定:労働者と協定を結べば、1日8時間、1週40時間を超えての労働、休日出勤等をさせることが可能になる
・法定休日:週1日以上の休日を置き、現実に休ませることが労働基準法で求められている
・変形休日制:週1日以上でなく、4週間で4回以上の休日を与える方法も労働基準法で認められている
・法定外休日:労働契約により、法定休日よりも多い日数の休日を定めることは自由

などを説明した上で、

・法定休日はいつか?
・変形休日制が採用されているか?
労働基準法36条に基づく労使協定(36協定)が締結されてるか?

などを、相談者本人から派遣会社に確認するよう依頼。
相談者が派遣会社にこれらについて質問しただけで、派遣会社から「極めて初歩的なミスが発生した」とお詫びあり。
その後、相談員同席の下、謝罪文入り合意書の調印。
※会社側は「会社が正しい!」と一方的につっぱねていたのに、相談者が専門家の存在をちらつかせただけで会社側の態度が一変する事例


ドキュメンタリー風なので、文体も読みやすく非常にわかりやすいです。
興味のある方は、是非ご一読下さーい。(^^)/

尚、大阪にお住まいの場合、この本は「大阪市立図書館」「クレオ大阪」にも置いてありますので、無料でじっくり読みたい方はそちらをお勧めします。
※検索の際は、「労働トラブル相談日誌」で調べてみて下さいね


【参考】
よろしければ、以下も参考になさって下さいねー。


どんな解雇なら不当で、どんな解雇なら不当ではないの?
なぜ会社は辞表(退職願・退職届)を書かせようとするのか?
「クビだ!」等と言われた時、やるべきこととやってはいけないこと
社長や上司の一言で即日解雇って、あり?なし?

会社が労災を認めない、会社が労災の申請をしてくれない時の対処方法
労災認定基準:労働基準監督署はどんな基準で労災を判断するのか
うつ病等の労災認定基準:パワハラ、セクハラ、長時間労働など
勤務先の会社の労災保険加入状況を調べる方法

36協定(サブロク協定)について最低限知っておきたいこと
サービス残業:裁量労働制、年俸制、ノー残業デーにご注意下さい
年俸制、管理職、営業職、技術職などってサービス残業が普通なの?
残業代が出ない時に自力で請求できる方法とは?労働審判制度とは?
自社製品の購入を強制された時って、断ったらダメなの?
パワハラ(パワーハラスメント)を厚生労働省が6類型に分類
会社が辞めさせてくれない、辞めたいのに退職させてもらえない時には

勤務先の会社の雇用保険加入状況を調べる方法
雇用保険料が天引きされていたのに失業金がもらえない時
長時間労働等で自主退職する前に知っておきたい失業金の事

企業の厚生年金と健康保険の加入状況や保険料納付状況を調べる方法
給料から天引きされた年金の納付状況を確認する方法

労働者って誰のこと?正社員以外も労働者なの?
労働法って何?労働基準法(労基法)と何がどう違うの?
労働契約法って何?労働基準法とどう違うの?
就業規則って何?法律違反になるケースって?
雇用契約や就業規則と労働基準法(労基法)ではどちらが優先されるか?

解雇やサービス残業、パワハラやセクハラ等に対抗する方法:団体交渉(団交)
ブラック会社に泣かされないためにも知っておきたいこと
ブラック会社に泣かされないためにやっておきたいこと
「就活とブラック企業――現代の若者の働きかた事情(ブラック企業の見分け方など)」

労働組合とは(1)(超基本編)
労働組合とは(2)(「社内に労働組合がない時は?」編)
労働組合とは(3)(「労働組合の種類って?」編)
労働組合とは(4)(「労働組合のあるべき姿って?編)」
労働組合とは(5)(「労働組合の存在意義って何だろう?」編)
労働組合をつくったり加入したりすることに社長は反対できるのか?
労働組合があればブラック企業じゃない!?御用組合(名ばかり労働組合)に注意

勤務先が大阪市西区にある方の無料労働相談はコチラ
勤務先が大阪市西区以外にある方(大阪以外も含む)の無料労働相談はコチラ
学生・生徒の方がブラックバイトの被害に遭った際の対処方法や相談先はコチラ
労基法違反等の情報提供匿名メール24時間受付窓口(本人以外からも可)
求人票と労働条件が異なる際の相談窓口:ハローワーク求人ホットライン
労働基準監督署(労基署)、ハローワーク、総合労働相談コーナーの違い
解雇や職場いじめなど、他の人は何をどんな風に相談してるの?



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posted by 西区地域労組 at 08:50| 知ってトクする!こんな話あんな話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする