2010年01月19日

労働者って誰のこと?正社員以外も労働者なの?

労基法をはじめとする労働法の中や、労働組合内で飛び交っている用語の一つとして、「労働者」というものがあるんですが・・・
そもそも「労働者」って、誰を指す言葉なんでしょうか?

「正社員じゃないけど、私も労働者なの???」
「パート、アルバイト、契約社員、嘱託社員、派遣社員とかも、労働者って言えるの???」
「請負契約や業務委託契約にされてると、労働者にはならないんじゃないの???」

そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

労働者とは・・・

「労働力を他人に提供して、その見返りとしてお金をもらって生活する人」

のことを言います。

ちょーっとオカタイし難しい書き方ですが、法律上では以下のように定義されています。

【労働基準法 第9条(労働者の定義)】
この法律で労働者とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

【労働契約法 第2条(労働者の定義)】
この法律において「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいう。


つまり、超簡単にざっくりとまとめると以下のとおりでしょうか。

● 正社員、パートタイマー、アルバイト、契約社員、嘱託社員、派遣社員などの雇用形態にかかわらず、会社などに使われて仕事して、お金をもらっているならみーんな労働者
● 個人事業主などに良く見られる請負契約、業務委託契約、委任契約などであったとしても、書類上はどうあれ、実態で労働者かどうかが判断される
● 特殊な職種だから・・・という理由は、労働者かどうかの判断に関係なし



ところで、労働者と判断されると何が嬉しいの???
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

労働者のメリットとしては、例えばこんなものがあります。

【労働者のメリット】
「1日8時間労働」「残業手当」「給与の支払い」「年次有給休暇」など労働者の労働条件の最低基準を定めた法律である「労働基準法」などが適用され、労働者としての保護が受けられる
※例えば、労災保険(労災)が適用される、有給休暇が取れる、残業代が出るなど

使用者がどう言おうと、一定の条件(週の所定労働時間が20時間以上など)を満たせば、雇用保険や社会保険に加入する必要がある


尚、個人事業主などの方で、
実態が労働者なのにもかかわらず、書類上は請負契約、業務委託契約、委任契約にされているというケース = 書類上は労働者ではないとしているケースが多々あります。

会社側は、なぜそんなことをするのでしょうか?

それは・・・

「請負契約、業務委託契約、委任契約にしておけば、雇用保険や社会保険に加入させる必要もないし、その分の利益が増えるから」

など、

「人件費などの経費を少しでもケチって、たくさん働かせて少しでも多く儲けたい!」

などなど、目先の利益を目的としているなど、会社側の勝手な都合がある場合が多く見られます。


たとえ書類上が請負契約、業務委託契約、委任契約などであったとしても、実態が労働者と判断される基準としては、以下のようなものが挙げられます。

【書類上は請負契約などであったとしても、実態が労働者と判断されるケース】
● 命令だからやれ!と言われ、基本的に拒否できない
本当の請負などであれば、その仕事を請けるか請けないかは本人の自由です。

● 会社が業務の具体的内容ややり方など指示して、業務の進捗状況を本人からの報告などによって管理している場合
本当の請負などであれば、具体的なやり方などは自分自身で決めるのであって、誰かにどうこう言われて管理される筋合いがありません。

● 勤務時間が定められていて、会社から管理されている場合
本当の請負などであれば、いつどのぐらい仕事するかは基本的に本人の裁量です。

● 別の人に仕事をふることが出来ない
本当の請負などであれば、原則として、本人以外の人がその仕事をしても構いません。

● 報酬が時間給、日給、月給など、時間を単位として計算されている
本当の請負などであれば、時間給、日給、月給で報酬額が決まるのではなく、原則としてある仕事をやるといくらという風に仕事単位で決まります。

● 業務で使用する機械・器具が会社より無償貸与されている
本当の請負などであれば、原則として自分の道具は自分で用意します。

● 他社の業務をやったらダメと制約されている
本当の請負などであれば、どんな会社とどれだけ取引するなどは基本的に本人が決めるものなので、誰かにどうこう言われる筋合いがありません。


当然のことながら、実態が労働者と判断されれば先述の「労働者のメリット」が享受できます。

とは言えども、色んなケースがあるので判断するのはなかなか難しいですよね・・・(汗)。
お心当たりのある方は独りで抱え込んで悩まずに、お気軽にご相談下さいね〜。

因みに、労働組合法上の労働者の定義は労働基準法や労働契約法よりも広く、以下のように定められています。

【労働組合法 第3条(労働者の定義)】
この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者をいう。

労働基準法や労働契約法との違いがわかりにくいと感じるかもしれませんので、少しばかり補足しますね。
労働基準法や労働契約法では、「企業等に雇われている人」が労働者に該当するという考え方です。

それに対して労働組合法では、「企業等に雇われている」という要件がありません。
つまり、「経済的に弱い地位にある労働者の保護」が労働組合法の目的ですので、労働組合法では「失業者であっても労働者」という考え方なんです。

ですから、正社員なのかパート・アルバイト・契約社員・派遣社員等の非正社員なのかに関係ないのはもちろんのこと、お勤めなのか失業中なのかなどにも関係なく、労働組合にとってはみんな「労働者」ですから、たとえ失業中であっても労働組合に加入することができるというわけなんです。
(^^)


【参考】
よろしければ、以下も参考になさって下さいねー。


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posted by 西区地域労組 at 10:30| やさしく学ぶ!労働に関する用語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする